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両親に老後のための貯金がない?資金援助で自己犠牲にならないための対策

両親に老後のための貯金がない?お互いの生活を守るための方法を紹介

「両親が全く貯金をしていなく、ちゃんと老後生活を送れるのか不安…」

老後にはさまざな臨時支出が多くなりますから、両親に貯金がなく・年金も少ないと、子供の自分達が全部面倒をみなくちゃいけなくなるのか心配ですよね。

自分達の生活や将来設計もありますしね…。

今回の記事では、老後のための貯金がない両親のための援助で自分達も共倒れにならないためにはどうすればいいか紹介していきます。


 記事のまとめ

  • 年金受給額以内に生活費が収まるように節約してもらう
  • 毎月の年金受給額の中から臨時支出のための貯金を積み立ててもらう
  • 両親との同居、もしくは両親に公営住宅に引っ越ししてもらい節約
  • 自分達の生活を犠牲にしてしまうようなら生活保護という選択肢

あなたにはあなたの大切な人生がありますから、自己犠牲とならないように対策をしていきましょう。

 

まずは両親の老後の年金受給額を確認する

両親の老後の年金受給額

両親に老後のための貯金がないなら、両親の年金受給額をしっかり把握し今後の計画をたてていかなければなりません。


 年金受給世代の毎月の平均生活費

単身(65歳以上)二人以上の世帯(70歳以上)
食費36,000円76,000円
住居費14,000円14,000円
水道光熱費13,000円21,000円
保険・医療費8,000円15,000円
交通・通信費14,000円24,000円
家具・家事用品6,000円10,000円
衣服費4,500円7,400円
教養娯楽費17,500円24,500円
その他(交際費等)33,000円42,500円
合計146,000円234,400円

(総務省統計局:家計調査年報(家計収支編)平成29年より)

老後だからといって生活費が自然と減るわけではないので、両親自信に節約をしてもらわないと年金だけでは生活ができずに少ない貯金を切り崩していくことになります。


 公的年金の平均受給額

月額(厚生年金 + 国民年金)
夫婦2人分221,277円
単身者156,336円

(出典:厚生労働省 平成30年度の新規裁定者の年金額の例より)

あくまで平均年金受給額なので年収が少なかったりするともっと受給額は少なくなります。

自営業で国民年金のみの加入だったりすると満期の40年で64,942円、夫婦で129,884円程度にしかなりません。

そうなると年金だけで生活を送れる可能性がますます低くなり、子供であるあなたが援助しなければいけない可能性が高くなりますね。


 両親の年金受給額が極端に低く資産もないなら生活保護を考える

また、もし両親が国民年金も未納だったとしたら、年金収入はまったくなく老後生活を送ることはできません。

そうなると両親の面倒を全てみなければいけなくなってしまいます。

ここまでの状況なら、このあとに解説するように生活保護という選択肢をとらなければ自分達も破産してしまいますね。

 

生活費以外にも両親の老後には様々な臨時支出がある

老後には日頃の生活費だけではなく、さまざな臨時支出が必要になる場合があるます。

そのため両親に年金受給額だけで生活してもらいながらも貯金もしていってもらわないといけません。


 老後には必要になってくる臨時支出

  • 高額医療費
  • 介護費
  • 持ち家のリフォーム・修繕費

 

両親の持ち家のリフォーム・修繕費

持ち家の水回りや外壁などの修繕費はある程度計算しやすいものの1回に百万円単位でお金が必要になります。

 

長期的な医療費

収入が少なくなる老後なら高額な医療費になっても『高額療養費制度』により実際の自己負担額は圧倒的に少なくすみます。

高額療養費制度はひと月に高額な医療費がかかっても、収入に応じた一定額以上の医療費は全て返還されるという制度です。

貯金が無い両親の高額医療費制度貯金がない両親の老後のための高額療養費制度

(出典:厚生労働省)

70歳以降になると高額療養費制度により自己負担額がさらに下がります。

両親が70歳以降で年金受給額が少ないと医療費の1か月間の自己負担額上限は以下のようになります。

  • 年間年金受給額155万円以下 = 上限額24,600円
  • 年間年金受給額80万円以下 = 上限額15,000円

また1年以内に4回以上医療費の上限額に達した場合は『多数回該当』となり、さらに医療費の自己負担額が少なくなるんです。

申告しないとお金が返ってこないで損してしまうので注意ですね。

ただし長期間の通院が必要になると医療費の負担がとても大きくなってしまいます。

 

もし両親が医療保険に加入しているなら医療費を賄っていくことができます。

しかし高額療養費制度があるのに必要以上に高い医療保険代を支払って保険貧乏にならないように両親の医療保険の見直しをしていきたいですね。

 

両親の老後の介護費

両親の面倒をみるときに一番大きな負担となるのが介護です。

介護が必要な状態になると金銭的な負担はもちろん、介護がいつまで続くか分からないというのか大きな精神的負担になってしまいます。

平均介護期間は5年となっていますがとても長いですよね…。

特別養護老人ホームや有料老人ホームに入居させれば、同居して面倒をみる必要はありません。

 老人ホームの平均入居費

月額費用平均入居一時金
特別養護老人ホーム10万~15万0円
有料老人ホーム15万~30万0円~数千万円

老人ホームの入居費が両親の年金受給額の中に収まるなら何も問題ありませんね。

しかし、例えば父親が老人ホームに入居することになっても残された母親の生活費は必要になりますから、両親の年金受給額だけでやりくりするのは現実的ではありません。


 両親を在宅介護という選択肢

デイサービスやショートステイなどを活用しながら、自分達で両親を在宅介護していけば金銭的負担は大きく減ります。


 在宅介護にかかる毎月平均の介護費用全般

介護度毎月の平均介護費
要支援12.8万
要支援23.4万
要介護15.4万
要介護27.7万
要介護37.2万
要介護410.1万
要介護510.7万
全体平均6.9万

(出典:家計経済研究所 在宅介護のお金と負担 2016より)

この平均在宅介護費は『平均値』なので一部の高額支出の世帯が平均を上げています。

『中央値』だと毎月平均介護費4.4万円となっていおり、こちらの数字が実際の介護費に近い数字になりますね。

両親の年金も使えばなんとかなりそうな介護費ですね。

しかし在宅介護となると両親と同居する必要がでてきますし、夜中にも起こされて介護の必要があると大きな肉体的・精神的負担となってしまいます。


 臨時支出に対応していくための貯金を

両親に老後のための貯金がない場合、臨時支出が発生したときに年金だけでは対応できず、全額負担しなくてはならなくなってしまいます。

両親にある程度の年金受給額があるときは、年金受給額以下に毎月の生活費を抑えてもらいながらも、臨時支出に対応するための貯金をしていってもらうべきですね。

両親の協力もなんとか得ないと負担が大きすぎますよね。

そもそも年金受給額が少ない、または両親が将来のために節約・貯金をする意識が低いというなら、両親と同居してコストを下げていくという選択肢をとる必要もでてきます。

 

老後の貯金がない両親と同居するか?別居するか?

両親の老後は別居、同居

老後資金がない両親のために一緒に同居して生活コストを下げていくのか、別居のまま援助していくのかを選択しなければなりません。

 

両親と同居すれば生活費を一緒にできるので節約できますし、持ち家があるなら売却して生活資金にあてることができます。

しかし、

  • 両親とは一緒に暮らしたくない(暮らしたくないと思われている)
  • 自分たちが賃貸物件に住んでいるから一緒に暮らせない
  • 仕事もあるし、離れた両親の持ち家のほうに移ることもできない

など同居には壁がある場合があります。

お互いの生活がありますから、同居だとストレスにもなってしまいますものね…。

そのような場合は別居のまま両親の老後の援助をしていくしかありませんが、できるだけ両親の生活費を下げていくために公営住宅に引っ越ししてもらうという方法をとりたいですね。

 

両親の老後には公営住宅に入居させて家賃を節約

公営住宅に入居してもらえば、両親が現在賃貸物件に住んでいる場合はもちろん、持ち家の場合にも住宅費を安く抑えることができる場合があります。

 

公営住宅とは低所得者向けに安い家賃で提供するために自治体によって運営されている住宅です。

通常の賃貸物件だと高齢者だとなかなか借りることができませんが、公営住宅なら高齢者でも借りやすく、かつ住宅費を抑えていくことができます。


 東京都の公営住宅の家賃の例

世帯所得2DKの家賃
0~1,628,000円17,600円
1,628,001~1,856,000円21,300円
1,856,001~2,048,000円25,200円
2,048,001~2,276,000円29,100円

(東京都都市整備局より)

お住まいの地域や住宅の条件、また世帯所得によって家賃は変わってきますが、とても安い家賃で暮らしていけるのが公営住宅です。

両親が一般的な年金受給額以下なら公的年金控除(120万円)を差し引けば、公営住宅なら毎月の家賃が1万~2万円で暮らしていけますね。

夫婦とも60歳以上の高齢者の場合は入居のための収入基準の緩和処置がとられている自治体もあります。


 抽選に当選しないと公営住宅に入居できない

公営住宅にも限りがありますから、収入などの条件をみたしていても公営住宅に入居するためには抽選に当選する必要があります。

新しい住宅や国道沿線などの暮らしに便利な場所だととても人気で倍率が高くなっており、倍率が10倍~200倍にもなってしまう場合があるんです。

そんな高倍率じゃいつになっても公営住宅に当選できなそうですね…。

しかし自治体によりますが、高齢者の場合は抽選番号が2つ割り当てられて当選確率が倍になったりなど、高齢者の場合は抽選の優遇処置がある場合がありますのでよく確認しておくべきですね。

不人気な公営住宅なら抽選なしで入居できる場合がありますが、病院やスーパーなどが遠かったりなど老後には不便な場合が多いので注意が必要です。


 持ち家からでも公営住宅に引っ越した方がお得な場合も

両親が現在持ち家にすんでいるとしても公営住宅に入居した方がお得な場合もあります。

持ち家なら賃貸物件のように毎月の家賃がかかることはありませんが、維持費が結構かかります。


 持ち家の平均維持費

固定資産税年間10万~20万円程度
火災・地震保険年間1万~2万円程度
修繕費の自己積立年間12万~24万円程度

持ち家といえど毎月2万~3.5万円程度の維持費として必要になってくるわけです。

そうなってくると公営住宅なら毎月の家賃が1万~2万円程度になりますからお得になってきますね。

持ち家と土地にある程度の資産価値があるなら売却して公営住宅に引っ越してもらったほうがいいというわけです。

持ち家と土地を相続したかったらしっかり両親を援助していかなければならないってことですね。

持ち家には思い出がつまっている場合も多いですから、よく相談のうえで判断していきましょう。

 

家族と両親の老後の面倒・遺産相続について話し合う

老後の両親の介護問題は兄弟で

兄弟がいる場合は誰が親の面倒をみるか、また遺産相続の件も含めて話し合いをしたいですね。

兄弟がいる場合は両親の老後の面倒を、

  • 長男が両親の面倒をみるのか
  • 持ち家があって両親と同居しやすい兄弟が面倒をみるのか
  • 実家の近くに住んでいる兄弟が面倒をみるのか

など、しっかり話し合わないと兄弟同士で揉めることになります。

 

また両親の老後の面倒を誰がみるのかを話し合うのと一緒に、両親の遺産の相続をどうするか合わせて話し合っておいたほうがいいですね。

ただでさえ兄弟で相続トラブルになりやすいなか、両親の老後の世話関係があると、

「両親の老後の面倒をみたんだから多く相続できる権利があるはずだ」

とさらに揉めやすくなります。

老後の面倒をみる代わりに遺産相続の分配を多めに分けるなど詳しく決めておくことで、両親の老後の面倒、遺産相続ともに兄弟同士で揉めることがないようにしたいですね。

 

両親の老後の面倒がみきれない場合は生活保護制度を

最後の選択肢にはなりますが、両親に生活保護を受給してもらうという方法もあります。

生活保護制度は生活に本当に困っている人に対し、健康で文化的な最低限度の生活を保障するための制度です。

ただし、生活に困っているからと簡単に生活保護を受給することはできません。


 生活保護の認定の条件

  • 貯蓄、持ち家や車などの資産を売却し生活費に充てる(例外あり)
  • 3親等までの親族から援助を受けることができる場合は援助を受ける
  • 働くことができる場合はその能力に応じて働く
  • 年金や手当などの他の制度の給付を最大限に活用する

これらのできる限りの努力をしたうえで、『世帯の収入』がその地域の最低生活費に満たない場合に生活保護を受給することが可能になります。

両親と同居していたら生活保護は受給できないということですね。

両親の自動車や持ち家・土地などの資産は全て売却して生活費に充てて、その資金も尽きてしまった場合に生活保護の申請となります。

しかし持ち家の資産価値が低い場合は売却せずに住み続けられるケースもありますので、あらかじめ福祉事務所に生活保護の相談をしておいたほうがいいですね。


 生活保護基準額の例(平成30年10月1日付)

東京都区部等地方群部等
高齢者単身世帯78,470円64,420円
高齢者夫婦世帯118,880円98,660円

(出典:厚生労働省)

生活保護の支給額は地域ごとの最低生活費に合わせた金額になっています。

この生活保護費より両親の年金受給額が多いと生活保護は受けられませんので注意が必要です。

もし生活保護を受給できた場合は、

お住まいの地域の最低生活費額 - 両親の年金などの収入 = 生活保護支給額

最低生活費との差額が支給されることとなります。


 生活保護制度による扶助

  1. 医療費の自己負担額や通院のための交通費が無料
  2. 介護扶助
  3. 賃貸アパートの家賃扶助
  4. 所得税・住民税が非課税
  5. NHK受信料の全額免除
  6. 水道料金の減免(一部地域)

「生活保護費ってとても少なくてそれで生活できるの?」と思うかもしれませんが、これらのようにさまざまな扶助が受けられるわけです。

特に『医療費全額無料』『介護扶助』『家賃扶助』は老後の両親にはとても大きな助けとなりますね。

 

自分の生活を犠牲にしてまで両親の老後の面倒を見る必要はない

親子関係には生活を扶養する義務があり資金を援助していると生活保護を受給できません。

けれどそれでは自分の生活もあるのに、今まで貯金がしてこれなかった両親の面倒のために自分の人生を捨てることとなってしまいますよね。

子供の面倒や、自分たちの老後の資金を貯めていくことができなくなってしまいますよね…。

しかし親子関係の扶養義務は決して強い義務があるものではないんです。


 生活保持義務と生活扶助義務の違い

生活保持義務関係夫婦・未成熟の子に対する親
生活扶助義務関係成熟した子と親・兄弟・祖父母と孫

生活保持義務関係は強い扶養義務をもち、相手が同程度の生活水準となるように努めていかなければなりません。

 

しかし今回のケースのような成熟した子と親との関係の場合は生活扶助義務関係となり決して強い義務は持ちません。

生活扶助義務関係は『自分の地位と生活を犠牲にしない範囲で援助していけばいい』となっています。

それも相手が最低限の生活が送れる程度の援助でいいとなっているんですよね。

ですので、自分たちの収入に余裕がなく生活を犠牲にしてしまうのなら両親への援助をしないで、生活保護によって面倒をみてもらうということが可能になります。


 お互いが共倒れとならないように生活保護を活用していく

「両親の面倒は自分たちで何とかみていきたい」

「身内から生活保護受給者を出したくない」

などの理由から、生活保護制度に頼らずに自分たちの生活を犠牲にした無理な援助をしていると、両親とともに共倒れとなってしまう可能性があります。

あなたにもこれからの長い人生がありますから、自分の生活を犠牲にせずに生活保護制度を活用していきたいですね。

 

しかし問題は両親自信に生活保護受給の意思がない場合ですね。

生活保護は恥ずかしいという意識の人も多いですものね。

自分たちには自分たちの生活があること・両親に対しこれ以上の援助はできないことをしっかり伝え、生活保護の申請をしてもらえるように薦めていくしかありませんね。

 

生活保護制度については『老後破産は生活保護で守ってもらえるか?その条件や対策について紹介』でも解説していますのでご参考にしてください。

老後破産は生活保護制度で防げるか
老後破産は生活保護で守ってもらえるか?その条件や対策について紹介将来の年金受給額が少なくて老後破産が心配なあなたへ。本当に生活に困った時の生活保護制度の受給条件、支給額等について紹介していきます。また生活保護に頼らなくても老後破綻とならないための2つのポイントをお伝えしますね。...

 

貯金がない親のために自己犠牲してストレスを貯めない

両親に老後のための貯金がないと毎月の生活費の援助だけでも厳しいうえに、医療費や介護費などの臨時支出が長期間に渡って必要になるとこちらまで共倒れとなってしまいます。


 老後の貯金がない両親と共倒れにならないポイント

  • 年金受給額以内に生活費が収まるように節約してもらう
  • 毎月の年金受給額の中から臨時支出のための貯金を積み立ててもらう
  • 両親との同居、もしくは両親に公営住宅に引っ越ししてもらい節約
  • 自分達の生活を犠牲にしてしまうようなら生活保護という選択肢

両親の年金収入が少なかったり、お金があるのに貯金ができない体質の場合だと一筋縄にいかずに苦労するかもしれません。


 両親と兄弟との今後の生活についての話し合いが大切

無理をすればあなたの援助によって両親も老後破産せずに生活を送っていけるかもしれませんが、あなたにはあなたの大切な人生があります。

あなた自身の生活を守るためにも、両親には最低限の生活を送ってもらえるように、また兄弟がいればお互いの負担を減らせるようにしっかり話し合っていかなければなりませんね。

家族間でお金の話ってなかなかしにくいけど今後のためには大切なことですよね。

またお互いにどうしようもなくなったら生活保護という選択肢をとり、共倒れにならないようにしていきましょう。