税金

セミリタイア後には世帯分離で国民健康保険料を安くしよう

一家団欒

セミリタイア後の国民健康保険料は出来るだけ安くしたいですよね。

国民健康保険料ってどういう計算で算出されているかご存知ですか?

前年度の個人の所得ではなく、『世帯所得』を基に計算されますので要注意です。

セミリタイアに入れば所得が少なくなるから低所得者に対する軽減処置でかなり安くすむでしょ?

と思っていると痛い目に合うかもしれません。

国民健康保険料の算出における世帯所得についてと、国民健康保険料を安く出来るかもしれない世帯分離について見ていきましょう。

 

 

国民健康保険料ってどういう内訳になっている?

地方自治体

会社に勤めている間は社会保険に加入していますが、セミリタイア後は社会保険に入っている家族の被扶養者にならない限り、国民健康保険に加入しなければなりません。

(退職後2年の間だけは健康保険の任意継続制度を利用できます)

国民健康保険料は

  • 医療保険分 + 後期高齢者支援金分 + 介護保険分

の合計額によるものです。

また、医療保険分、後期高齢者支援金分、介護保険分はそれぞれ

  1. 所得割(前年度所得-33万円)
  2. 均等割(一人当たり)
  3. 平等割(一世帯当たり)
  4. 資産割(固定資産税)

の4つに分かれています。

しかし市区町村により、その割合・金額は変わってきて、さらに平等割や資産割自体が無い市区町村もあります。

私の実家の自治体は全て負担しなければならないのでセミリタイア後の大きな負担となります。

国民健康保険料の差は自治体によって最大3倍程度も変わってきてしまうんです。

セミリタイア後に住居を決めるのなら、この国民健康保険料の税率の事も考慮しなければなりませんね。

 

国民健康保険に加入している世帯単位で計算される

頼れるお父さん

国民健康保険料の計算は、同一世帯の中で国民健康保険に加入している人数、世帯収入でされるんです。

世帯とは?同一の住所で生計を共にしている者の集まりの事

そのため、国民健康保険料は、世帯分まとめて住民票上の『世帯主』に請求されます。

それを踏まえて、所得割、均等割、平等割、資産割についてみていきましょう。

 

所得割

給与明細

前年度所得額にたいして基礎控除額の33万円を引いた金額が基準額となります。

  • 前年度所得額 – 330,000 = 基準額
ポイント!確定申告では可能な所得税からの各種控除は使えません。基礎控除のみです。

これを世帯で国民健康保険に加入している全員分加算していきます。

  1. 父(73歳・世帯主)年金収入 240万円
  2. 母(70歳)年金収入 100万円
  3. 長男(45歳)収入 24万円

例えば以上のような長男のセミリタイア後の設定でシミュレーションしてみます。(年齢等全て架空です)

ここでのポイントは年金受給者に対しては、基礎控除(33万円)以外に、『公的年金控除額』も差し引きます。

公的年金控除額

(出典:国税庁より)

年金受給額が120万~330万円(65歳~)のため、父の所得金額は

  • 240万円 (年金収入)-120万円 (公的年金控除額)-33万円 (基礎控除額) = 87万円

となります。

母の所得額は、年金受給額が120万円未満のため所得金額はゼロとなります。

長男の場合は、

  • 24万円 (収入) - 33万円 (基礎控除額) = 0円

となりますね。

これらを合算した87万円が世帯基準額となります。

この世帯基準額から、医療保険分、後期高齢者支援金分、介護保険分それぞれのパーセンテージ(自治体により違います)を掛けて税金が算出されます。

 

均等割

均一

世帯の中での国民健康保険に加入の人数によって税金が加算されます。

国民健康保険には扶養の概念はないので、人数が増えれば増えるだけ均等割りの金額が増えてしまします。

医療保険分、後期高齢者支援金分、介護保険分それぞれに税金がかかります。

平等割

世帯

平等割は一世帯単位にかかる税金になります。

国民健康保険に加入の人数が増えても一律のため、加入人数が多ければ多いほど、一人当たりの金額は少なくなります。

平等割自体がない自治体もあります。

医療保険分、後期高齢者支援金分、介護保険分それぞれに税金がかかります。

資産割

固定資産二重課税

土地・家屋の固定資産税を基に算出されます。

医療保険分、後期高齢者支援金分、介護保険分それぞれのパーセンテージを掛けた分の税金がかかります。

別に固定資産税を納めながら、同じように国民健康保険においても固定資産税を支払う事になるので、完全に二重課税ですよね。

まぁ、それをいったら所得割もそうなってしまいますがね。

資産割も、自治体によって無い場合があります。

近年は、資産割を廃止にする自治体が少しづつ増えてきているみたいです。

私がセミリタイアする頃には私の自治体も資産割が無くなって欲しいものです。

国民健康保険計算機』というとても便利なツールで市町村ごとの国民健康保険料を計算出来ます。

 

低所得者に対する軽減処置について

軽減税率

こうして見てみると国民健康保険には様々な税金がかかってきて負担がとても大きいことが分かります。

セミリタイア生活にはかなり厳しいですよね。

そこで『低所得者に対する軽減処置』という制度があります。

世帯の合計所得が一定以下だった場合に、均等割・平等割が7・5・2割引きされます。

7割軽減 : 33万円
5割軽減 : 33万円+27万5千円×(被保険者数)
2割軽減 : 33万円+50万円×(被保険者数)

合計所得を算出する上でのポイントが

  • 基礎控除33万円を控除前の金額
  • 年金受給者は公的年金控除の後、さらに15万の控除

の2つです。所得割の算出とは少し違うので気をつけましょう。

  1. 父(73歳・世帯主)年金収入 240万円
  2. 母(70歳)年金収入 100万円
  3. 長男(45歳)収入 24万円

所得割で使用したシミュレーションをしてみます。

  • 父の場合『240万円 - 120万円 (公的年金控除) - 15万円 = 105万円』
  • 母の場合『年金受給額が120万円未満のため所得金額はゼロ』
  • 長男の場合『24万円』

となり、世帯の合計所得は、129万円となります。

この世帯合計所得ですと、均等割・平等割が2割しか軽減されません

長男からしたら、自分の収入だけであれば7割軽減されますが、父の年金収入もあり2割軽減に納まってしまっています。

納得いかない部分もありますよね。

そこで考えるのが『世帯分離』です。

 

世帯分離とは何?

世帯分離

同じ家に住んでいる場合でも、住民票上の世帯を分離する事が可能です。

例えば、親世代と長男で二世帯にする事で、同じ家に世帯主が二人いる事になります。

市役所に届け出するだけなので世帯分離すること自体は簡単です。

 

世帯分離のメリット

メリット
  • 世帯収入を少なくすることができ、『低所得者に対する軽減処置』により7割軽減など、国民健康保険料を安くすませられる場合がある。
  • 世帯分離する事で『住民税非課税世帯』となり、高額療養費制度の自己負担額を安くできる。
ポイント!高額療養費制度では、社会保険では保険証本人の月収によって区分が決められますが、国民健康保険だと、世帯の年間所得で区分が決められます。

高額療養費制度については、『セミリタイア後に保険は不要?高額療養費制度を活用しましょう』をご参照ください。

世帯分離のデメリット

デメリット
  • 世帯を分離すると、同一住所であっても、それぞれの世帯主に国民健康保険料の請求がされます。平等割がかかる自治体ですと、平等割りがそれぞれの世帯に対して請求されてしまいます。
  • 国民健康保険の被保険者が減ったことにより、低所得者に対する軽減処置がなくなるケースもあります。
  • セミリタイア者には関係ない話かもしれませんが、国民健康保険料には限度額が設定されています。高所得者がそれぞれの世帯にいると限度額の関係で支払いが増えてしまう場合もありますね。

セミリタイア者個人だけを見れば世帯分離した方が安くなると思いますが、世帯分離しない方が家族単位での国民健康保険料は安くなる場合もあります。

また、高額療養費制度、介護保険の事も考慮するべきですね。

高額療養費制度の事まで考えるなら世帯分離した方がお得かもしれません。

※介護保険については別の記事で紹介します。

 

セミリタイアの収入は33万円に収めた方が良い?

反りたつ壁

世帯分離をうまく活用すれば、国民健康保険料、高額療養費制度、介護保険の場面で有利になる場合があります。

税金関係はとても複雑です。

しかし、税金の事をしっかり把握する事が出来れば、いくらお金を貯めればセミリタイアが出来るかが見えてくるはずです。

セミリタイア後の収入の目安も、国民健康保険料の所得割をゼロにするための年33万円の壁も一つの目安になりますね。